- 近藤ようこさんは…
- 1957年生まれ。1980年代から活躍する日本の女性漫画家。現代の平凡な人々のドラマと、中世日本を舞台にした一連の作品がある。
最近では坂口安吾の小説や津原泰水の小説を漫画化し、高い評価を得ている。また、着物を題材にしたエッセイも多数発表している。
1957年 | 5月11日、新潟県新潟市にて生まれる。 小学校のとき、白土三平の「カムイ伝」を読んでショックを受け、漫画を描き始める。 |
1973年 | 新潟県立新潟中央高等学校に入学。高橋留美子と共に漫画研究会を設立し、副部長として活動。 その一方、国文学者で民俗学者の折口信夫「死者の書」を読んで衝撃を受け、民俗学を学ぶことを志す。 |
1976年 | 國學院大學文学部日本文学科に進学。 |
1979年 | 大学在学中、『ガロ』に短篇「ものろおぐ」を投稿し、1979年5月号に掲載された。同年、『劇画アリス』に掲載された「灰色の風景」で実質的にデビュー。 ※「ものろおぐ」をデビュー作とするプロフィールが多いが、この作品は投稿作品のため、『劇画アリス』に掲載された作品を実質デビュー作品とする。但し、「灰色の風景」より先に「かごめかごめ」が掲載されている。 國學院大學を卒業。1年間、渋谷の紀伊國屋書店に勤務しながら漫画を描く。 エロ劇画雑誌ブームの波に乗り、『劇画アリス』『漫画ダイナミック』『漫画エロス』『劇画スペシャル』などに次々と短篇作品を発表。同時に『ガロ』『マンガ奇想天外』『漫金超』など、独特な読者のいる雑誌にも作品を掲載。独自の作品世界をつくりあげていった。 |
1981年 | 初の単行本「月夜見」が刊行される。 |
1983年 | 「猫っかぶりゼネレーション」を『サンデーまんが』で連載開始。 |
1984年 | 「見晴らしガ丘」シリーズを『漫画サンデー』で連載開始。東京近郊の私鉄沿いにある架空の新興住宅地を舞台に、複数の登場人物が登場する短篇連作が高い評価を得る。 |
1986年 | 「見晴らしガ丘にて」で第15回日本漫画家協会賞優秀賞を受賞。 『ASUKA』に「安寿と厨子王」を掲載。初の少女誌での連載となった。 |
1987年 | 「遠くにありて」を『ビッグコミック』誌で連載開始。 |
1988年 | 「水鏡綺譚」を『ASUKA』にて連載開始。 「HORIZEN BLUE」を『ガロ』にて連載開始。3誌で連載を抱えるという、売れっ子状態になる。 |
1989年 | 「移り気本気」を『ビッグコミックフォアレディ』にて連載開始。ついに4誌で同時連載という快挙。 |
1990年 | 「説経 小栗判官」を白泉社から描き下ろし単行本で発表。 |
1991年 | 「ルームメイツ」を『ビッグコミック』誌で連載開始。 |
1993年 | マガジンハウスの『COMICアレ!』に短篇を掲載。 |
1994年 | 『ビッグゴールド』誌に連作短篇を掲載。後に「心の迷宮」として単行本化される。 |
1995年 | 「アカシアの道」を『週刊漫画アクション』で連載開始。 |
1996年 | 「ルームメイツ」がテレビドラマ化される。
カタログハウス『通販生活特大号』に短篇を掲載。つげ義春の再録の後を受けたもの。 |
1999年 | 『オフィス・ユー』に短篇を掲載。 |
2001年 | 「アカシアの道」が松岡錠司監督により映画化される。 「鋼の娘」を『FEEL YOUNG』に連載。 |
2002年 | 「絹の紐」を『マンガ・エロティクス・エフ』に連載。女性誌への進出が続く。 |
2003年 | 着物を題材にしたコミックエッセイ「私たちの着物術」を刊行。以後、着物に関するエッセイを次々と出版する。 |
2004年 | 『ASUKA』誌で連載が打ち切られた「水鏡綺譚」を大幅に加筆して完結させた。 |
2005年 | 「兄帰る」を『ビッグコミック』で連載開始。 |
2007年 | 「夜長姫と耳男」、2008年「桜の森の満開の下」と坂口安吾作品の漫画化を手がける。 |
2009年 | 「兄帰る」がテレビドラマ化される。 |
2010年 | 「ゆうやけ公園」を徳間書店のPR誌「本とも」にて連載。 |
2012年 | 「恋スル古事記」を描き下ろしで刊行 坂口安吾原作「戦争と一人の女」を描き下ろしで刊行。初の個展も開催。 |
2013年 | 津原泰水原作「五色の舟」を『月刊コミックビーム』にて連載開始。 「戦争と一人の女」が「2014このマンガを読め!」3位にランクイン。 |
2014年 | 「五色の舟」が刊行される。「宝の嫁」新装版も同時にエンターブレインから刊行。また、2010年~2012年に連載した「異神変奏」がメディアファクトリーから刊行される。 「五色の舟」(原作:津原泰水)が第18回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞を受賞。 折口信夫原作「死者の書」を『コミックビーム』にて連載開始。 |
2015年 | 9月、個展「物語る絵」が表参道のビリケンギャラリーで開催。 |
2016年 | 夏目漱石原作「夢十夜」を岩波書店のウェブサイトにて連載。 |
2017年 | 2月「夢十夜」の刊行を記念して個展「物語る絵2」が開催。 田中貢太郎「蟇の血」を『コミックビーム』にて連載。 |
2018年 | 「見晴らしガ丘にて それから」をウェブマガジン「スピネル」にて連載。 |
2019年 | 澁澤龍彦原作「高丘親王航海記」を『コミックビーム』にて連載。 |
2020年 | 9月、個展「高丘親王航海記原画展」が開催。 |
2021年 | 「高丘親王航海記」が「THE BEST MANGA 2021 このマンガを読め!」第1位を獲得。 |
※参考「後には脱兎のごとし」著者紹介